09年に刑務所を仮釈放された人は1万4854人で、満期出所者(1万5324人)を初めて下回ったことが法務省の調査で分かった。受刑者の高齢化が加速し、身元を引き受ける親族や施設が見つからないケースが増えているためだ。満期出所は保護観察など国の監視や支援がなく、仮釈放より再犯率が高いとされる。国は仮釈放された人の社会復帰を助ける自立更生促進センターの整備を目指すが、反対運動などで難航している。【石川淳一】
調査によると、00年には仮釈放された人が満期出所者を約2800人上回っていたが、05年から差が縮まり始め、08年にほぼ拮抗(きっこう)。09年は仮釈放が49.2%と5割を切った。 刑務所内の高齢化は一般社会を上回るスピードで進んでいる。98年に新たに刑務所に入った受刑者2万3101人のうち、65歳以上(692人)は約3%だったが、08年には、2万8963人の7・2%(2092人)が65歳以上だった。出所者全体に占める仮釈放の割合を示す仮釈放率は、08年の場合50.1%だが、65歳以上に限ると27.8%とかなり低い。高齢者が多く刑務所に入り、出にくくなっている実態を示している。 仮釈放されると刑期満了まで保護観察処分となり、保護司との定期的な面接や住所地の報告などが課され、生活上の相談もできる。満期出所は出所と同時にこうした監視・支援態勢が解かれる。法務省が04年の出所者を対象に5年以内の再服役率を調べたところ、満期出所者は55.1%だったのに対し、仮釈放は32.2%だった。このため法務省は、仮釈放を活用した社会への「ソフトランディング」を模索している。 しかし、仮釈放の要件を満たしていても、保護観察官の定住先調査で帰る場所が見つからなければ、満期まで刑務所に残されるのが実情だ。 身寄りのない出所者には、一時的に宿泊先となり社会復帰を図る民間の更生保護施設が全国103カ所にあるが、飽和状態だ。仮釈放者を対象にした国営の自立更生促進センターは全国4カ所に計画されているが、福島市などで地元が反対し、開所は北九州市の1カ所にとどまっている。 ◇仮釈放 刑法は、懲役または禁固の刑を受ける受刑者らに更生が認められる場合、有期刑は刑期の3分の1、無期刑は10年経過後に仮釈放できると定める。刑務所長が申し出た場合などに、全国8カ所の地方更生保護委員会が審理。反省の度合いや再犯可能性などを基準に是非を決める。 【関連ニュース】 <関連記事>行き場のない更生保護:/上 住民反発、予定より開所1年半遅れ… /福島 <関連記事>行き場のない更生保護:/中 保護司の指導が行き届かない現状 /福島 <関連記事>行き場のない更生保護:/下 民間施設の移転にも反対運動 /福島 <ニュースのことば>保護司 <ニュースのことば>更生保護施設 ・ 「個所付け」で首相陳謝、国交相ら処分も検討(読売新聞) ・ 詐欺容疑で東京都職員逮捕=転売目的で銀行口座開設−警視庁(時事通信) ・ 【十字路】京都・嵯峨野トロッコ列車が運転開始(産経新聞) ・ ミニ模型、ストラップ…尼崎市バスのグッズが密かな流行(産経新聞) ・ <チリ地震>医療救援団体「AMDA」が現地に医師らを派遣(毎日新聞)
by ndxy4idfd0
| 2010-03-07 17:48
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